だけど、タクミもそのことを理解しようと思いながらも、葛藤し続けていたって。

だから、私との子供を、できれば早く作っておきたかったって。

そうすれば、何かあったとしても、タクミと私はずっとつながっていられるから。


でも、私はタクミに言った。

それは間違ってるって。


「子供は、親の道具じゃない。」


きっと、ハルキが生きていて、タクミにその事実が明らかになったとき。

私はタクミとも、ハルキともつながってはいられない。

それに、そういう関係が続いている限り、子供は作らなかったと思うって。

子供は定められた愛の元に生まれてくるべき存在。

だから、そんな気持ちで生めるわけがない。


タクミは、そんな私の言葉を聞いた後、

初めて泣いた。

私の前で泣いたことなんて、今まで一度だってなかったタクミが、握りこぶしを何度も自分の太ももにぶつげながら、声を出して泣いた。


きっと、その姿が本当のタクミだったんだって思う。