ハルキへ

一昨日、タクミにきちんとお別れを告げました。

全部。

洗いざらい、すべてを話したわ。

それが、どんなにタクミにとって酷なことかって、痛いほどにわかっていたけれど。

ハルキと何度も愛し合ったこと。

タクミのことを愛していたけれど、ハルキも同時に必要だったってこと。

ハルキがいなくなって、ミズキちゃんと話をして、タクミだからこそ、きちっと話してお別れしなければならないと思ったこと。


タクミは、終始うつむいて、静かにうなづいて聞いていた。

誰かの歌を聞いてるみたいに、時折、やさしい笑みを浮かべながら、苦痛の表情を浮かべることもなく。

すべて話し終えたとき、タクミは一言「ありがとう」って言ったの。

どうして?

そうじゃないでしょ?

思わず、聞き返した。


そしたら、タクミ、なんて言ったと思う?

「これほどのことを一人で抱えて、そして、俺に伝えるのに、ミクはどれほどの思いで一人で耐えていたのかと思うと胸がつぶれそうだよ。」

だって。


本当に、あなたたち兄弟って、どうしてこうなのかしら。

自分より、相手優先。

そして、自分以上に相手の気持ちを悟ってしまう。