「ミクさんは、これからどうされるんですか?」

私?

これから・・・って?

「ミクさんは、ハルキを愛していたんでしょう?このまま、ずっと、このままなんですか?」

ミズキちゃんは時に、年上の私ですらもひるむような言葉を投げかけてくる。

それは、ハルキと似ていた。

「このまま・・・じゃいけないかしら。」

小さな声でつぶやくように言った。

「いけません。」

ミズキちゃんははっきりと言った。

その声が一瞬ハルキと重なる。


そうよね。

本当は随分前から、ハルキと会うたびに思っていた。

このままじゃいけないって。


「考えておくわ。私も、新しい何かに向かっていかなきゃなんないわね。」

「ええ。きっとハルキもそう望んでいると思います。」

私はうつむいて「ふふ」と笑った。

ミズキちゃんは、かわいい。

ハルキが愛したミズキちゃん。

私もとても愛しく感じた。


ミズキちゃんは、何を伝えたくて私に会いにきたんだろう。

ミズキちゃんが帰った後、さっきまで座っていたソファーの凹みを眺めながらぼんやりと考えた。