ハルキのひとつひとつの仕草、言葉、触れ方。

全てが私の細胞を刺激する。

タクミにはない、甘美な気持ちに酔いしれる。

いつまでも酔いしれていたいと思わずにはいられない、何かがハルキにはあった。

でも、きっとそれは一生続くモノではないということも、何となく感じていた。


すぐにワインとおつまみのクラッカーとチーズが部屋に運ばれてきた。

ワインは、ロゼだった。

「気が利いてるじゃない。」

「だって、ロゼが好きなんだろ?」

「うん、まぁね。」

ハルキはワインのコルクを慣れた手つきで抜くと、ワイングラスに注いでくれた。

ハルキの長い指に巻かれるようにもたれたワイングラスが私の目の前に現れる。

少し冷たいハルキの手。

その手に少し触れただけなのに、私の気持ちは高ぶっていた。

まだワインも口にしていないのに。

そんな自分に少しあきれる。

私ってどこまでハルキに溺れているの?