「どうする?」

少し潤んだ瞳で、ハルキは聞いてきた。

私はそんな瞳から目をそらす。

「なんだか、少しお腹空いちゃったな。」

ハルキは、大きく伸びをした。

「んじゃ、何か頼む?サンドイッチとか。」

「そうね。ワインが飲みたい。」

「ワイン?珍しいね。日本酒じゃないんだ。」

「なんとなく、この夜景を見ながらワイン飲んだらセレブ気分になれそうでいいじゃない。」

「ミクって意外と子どもっぽいとこもあるんだ。」

ハルキは少し斜め目線で言った。

あ、バカにされた。

私はプイと横を向く。

「そういうところをつっついてくる人って、大人じゃないから嫌い。」

「ミク、怒った?ごめんよ。いや、そういうところもかわいいなって思ってさ。」

ハルキは私の肩を抱いて、耳にキスをした。

首筋からぞくっとするほど、ドキドキするキス。

思わず、ハルキから体を離した。

「とりあえず、ワインとおつまみ、頼んで。」

「はいはい、お嬢様。」

ハルキは立ち上がって、ロビーに電話をかけた。