もういい加減にしろよ
本当にうざい。
あたしが睨むと

「・・・おい、なんだよその顔」

少し低めで離れて聞いてる
人達には絶対に聞こえない声

「うっせぇよ。てめぇなんか、大嫌いなんだよ」

「・・・雪。俺にはお前しかいねぇんだよ」

「本当にいやなんだよ!」

あたし声を荒げた。
頭に血が昇りすぎて
思わず吉川の胸ぐらを
掴み殴ろうと思いそのまま
拳を向けた。

ゴンッと鈍い音がして
あたしが殴っていたのは
南くんだった。

あたしと吉川の間に
南くんがいた。