「だって、元はモテるから…元にその気はなくても、アプローチをかけてくる人はいる」

「興味ねえよ」

「そうか?」

「疑うな。俺は、乙葉さえいればいいんだ」

元がわたしの額にキスを落とした

「…たく。俺を信じろ」

「信じてる。でも不安も付きまとう」

「俺のほうが不安だ。学校にいけば、大勢の男がいるんだぞ。そう思うだけで、俺は気が気じゃねえ」

「わたしは妊娠しているんだぞ? 浮気なんてしない」

元がニヤっと笑う

「男子生徒は知らねえだろ」

「でも…わたしはずっと元が好きだった。元以外に興味はない」

「俺もだ。俺も、いつだって乙葉と同じような気持ちでいることを忘れるな」

あ…

そっか

元も、不安なんだ

わたしが元に抱いている不安と同じように、元も不安に思ってる

わたしは元の手の甲にキスをした

「ごめん。元の言葉を信じる」

「ああ」

元がほっとした顔をするのがわかった

「元、好きだ」

「俺もだ」

わたしは瞳を閉じると、元がキスをしてくれた