朝目覚めると、疾風はいなかった。


もう、会えない。


バイバイ、疾風。


私は、ベッドから起き上がり旅立つ準備をはじめた。


着替えようとチラッと鏡を見ると吃驚した。


信じられないぐらいのキスマーク。


いつもは、こんなに付けないのに。


ごめん。


ごめんなさい。


私は、涙が溢れてきた。


けど、やめることはできない。


私は、疾風という存在が信じられないのだから。


私の前での彼。


女の人に囲まれる彼。


ほほえむ顔が違う。


どっちが、本当の顔?


わからなくなった。


怖くて聞けない。


私と疾風は、馴れ合いでいるんじゃないかって。


愛を疑うようになった。


もう、ダメなの。