異父姉は、性格、外見、全てにおいて、正反対だった。


勝ち気で、喜怒哀楽が激しい。

不満も全て、口に出せる異父姉の事が、嫌いである半面、羨ましくもあった。


周りの顔色を、伺い、人とのコミュニケーションが苦手な自分。
子供の頃は、もっぱら遊ぶ相手が人形だった。


外で、近所の子供達と、活発に遊ぶ異父姉は、憧れでもあった。


自分にはないものを持つ存在。


羨ましくて、でも、自分に出来ない事を、簡単に出来る異父姉を見る度、自分が惨めに見えて、だから、嫌いでもあった。



表面的には、同じ家庭環境で育つ、姉妹として、仲良かったのかもしれない。


だけど、あたしが彼女に、憧憬と憎悪を抱くように、異父姉もまた、末っ子で、内気な妹を、大人達が庇護するのを、羨ましく思い、なにもかも他人より劣る妹に、苛立ち嫌悪していた。


現に、あたしが幼い頃、異父姉は母親に、漏らしていた。


「〇〇(←あたしの名前)は、可愛いくない。友達の妹の方が、可愛いいし、面倒みたい」


確かに、幼い頃。
あたしの事を、抱っこしてくれたり、可愛いがってくれたのは、異父姉ではなく、近所の年上のお姉さんだった。



それでも、幼い頃は、姉として、慕っていた。


けれど、お互いに、成長するにつれて、二人の間に広がる溝は、埋める事が、出来ないくらい深くなってしまった。