「アーアーアー、聞こえますか、聞こえますか」


大空を舞う鳥みたいに両手を広げ、高く澄んだ空に向かって電波を飛ばす。


「いつまでやってんの」


呆れた友達は未だ煙草をふかして僕を笑っていた。


「ねえ、わからない?」


人類はすでに、根本から腐っている。


「アーアーアー、聞こえますか、聞こえますか」
「何がだよ」


第六感が電波をキャッチする。
僕に、自由になれと。
君と、自由になれと。


「わからないのかあ」
「だから何が、」
「教えてあげるよ」


自由はもう、そこにしかないのだと。
友達の煙草を奪い取った。
憤慨した友達が僕を睨んだ。


「おい、何す──」
「一緒に行こう」


手を取って、笑みを浮かべて、友達を突き落として、僕もいざ行かん。
第六感が呼ぶ、無限なる電波の海へ。



02,電波をキャッチ
【エンド】
00,第六感ヘルツ
【エンド】