「よかったな」 泳ぎ終えると、プールサイドから先輩が顔を出して言った。 ゴーグルを外し、先輩の方を見て笑いながら言った。 『イチゴ味のおかげかな』 「そうだろ…」 先輩も笑いながら答えて、私に手を差し出した。 差し出された手を握りながら少し意地悪く言った。 『でも、私も慶太先輩と同じイチゴのソーダがよかったな。ただのソーダじゃなくて』