「神谷が…犯人ね…」


慎重に話すこと約10分後…ようやくすべての真実を知った恵南は…ポキポキ手を鳴らし、気持ち良さそうに枕を抱きながら寝ている神谷にズカズカと近づいていく。


「だ…だって私の胸触られた時この…神谷くん?…寝てたし…ッ!」
「けどコイツは触ったんでしょ!?」


ずいッと近寄ってくる。言い迫られ、小さな声で


「…ハイ…」


…と、いった瞬間怖い顔でにっこり笑った。いや、正確に言うと口角が上がってるだけで目は笑っていない。


「速まるな永井ッ!!」


痛みから復活した成実に手伝ってもらい、なんとか言い訳とかしながら押さえて、なだめて、やっと神谷の見えない隣りのベッドに移動して座る。


「成実マジごめんッ!!!」


座ったとたん正座して頭をグリグリと布団に突っ込みながら謝りだした。


あ…そいえばそうだった。


恵南は無実だった成実を間違えて投げちゃったことを思い出した。


「ヘ-きだよッ慣れてるしw」


成実は何十回も恵南に投げられたことがあるらしいが、今まで私は一度も見たことはない…。


「で、恵南どうしたんだ?」
「あ、そうだ!!ねェ留依、今日暇??」


いきなりいつも通りの笑顔になって腕を絡めてきた。

ポケットに入っている携帯を取り出して、夜の予定をチェックする。


「うん。今日はバイト入ってないし…」
「じゃあ久しぶりにデ-ト行こッ!!」


久しぶりに二人でデ-トすることになった。