「神谷だよ。神谷柚」


やっとわかった気楽に私の上で寝てる美形な彼の名前。

それに同じクラスだった事も…。

しかも私の隣りの席だって事も…。

成実に手助けしてもらい、やっと体が軽くなってほっと一息ついた。


「ごめんね成実。」


「や。大丈だけど…花田…―――すごいリボン曲がってる。」


そっと成実がリボンをつかんだとき。


「なッ…何してんのよぉ~~ッ!!」


恵南の声が扉の方からした。

二人でそっと見ると、両手を赤くなるまで堅く握り、まるでいつもの天使のような顔から一転して、鬼のような形相で成実を見ていた。


…そして…


無言で近寄り…私のリボンを持ってる成実の腕を掴んだ。


ま…まさかッ…―――


「な、南…―――」


止めようとした時にはもう遅かった…