振り返るとまた上によじ上っていた彼の、私よりも大きな腕の中に…すっぽり収まる形になっていた。
体重をずっしりとかけられバランスを崩して後ろに二人で倒れこむ。
「もうちょっと…寝かして…」
「え…ちょッ…!」
首筋に顔が当たってるんですけど――ッ
そう言おうとした時…耳を澄ますと小さな寝息が聞こえた…
「…ね…寝ちゃった…」
どんだけ寝るの早いんだよ。
その時、ガラッと部屋のドアの開く音が部屋に響いた。
カ-テンの中を覗き込んできたのは…
「成実ッ…」
気のせいか、少し息切れしていた。
私を見た瞬間に顔が真っ赤になった。
「あ…えと…その…失礼しました…」
「失礼じゃないからッ助けて成実!!」
なぜか帰ろうとする成実を引き留める。