真っ直ぐに進んでいくと、壁に扉が設置されていた。

扉にはキーロックが掛かっているようだ。

「どこも一緒か」

出口を探すしかないか。

中に入った以上は、余計な魔力を消費するわけにはいかないのだ。

更に真っ直ぐ歩いていくと、右手に2階と地下に通ずる階段が存在していた。

「しっかし、もぬけの殻かよ、誰もいねえぞ」

これは罠としか思えない。

だが、戻る事も出来ない。

何故なら、本部を歩くしか道はないからだ。

島に居たところで狙われるのは確実だしな。

俺達はむやみやたらに行動範囲を広げず、一階探索を続行した。

途中途中に同じ扉は存在しているのだが、キーロックがかかっている以上は入る事は出来ない。

曲がり角も存在しておらず、同じような道を歩き続けた。

「お兄ちゃん」

突然、チェリーが俺の服の裾を掴んだ。

「どうした?」

「誰か、来る」

「ち」

チェリーは人の気配を過敏に感じ取れるらしい。

一本道の廊下には隠れるところが存在しない。

「逆方向に逃げるしかない」

やはり誰か配置しているらしい。

足音が聞こえてきたところで、俺達はとんずらをここうとした。

「ルール、生きている者は動けない」

同時に聞こえてきた声と共に、俺達の身体は金縛りにあったかのように動けなくなってしまった。