季節は冬。

すんごく寒かった。

冬真はいつものように寄り添ってきた。

「寒ーい。愛華。」

名前で呼んでくれた。

愛華も笑顔になる。

「寒いね〜。死にそう。」
「俺冷え症なの。ほれ、触ってみ。」

そういって手を差し出す。
「本当だ。めっちゃ冷たいじゃん。うちなんてあったかいよ。女が冷え症であっためてもらうのが夢なんだけどな〜。」

その間もずっと手を繋いでいる。

「いいじゃん。俺の手あっためてくれてるし。」

笑顔で言ってくれる。

反則だよ---

「うち冬真の役に立てるならいいや。」

二人で初めて手を繋いだ日。

そして名前で呼び合うようになった日。

名前で呼び合うだけで照れ臭い二人。


冬真が冷え症とまた一つ知れた---。