「先生、由紀姉とはどういう関係だったんですか」

「どうもこうも、姉弟だよ。義理の」

「そういうこと言ってるんじゃないんです」

隣の机から、前田先生がこちらを伺う様子を察知できる。
僕は面倒そうに手をしっしっと振った。

「いいから行け、日直。職員会議始まるんだから」

「意外とケチですね」

「麻生は意外としつこいな」

ややふくれっ面になった麻生は、くるりと踵を返して去っていった。