「……何?握手?」

「いや、違います。部活動報告書、下さい」

あぁ、と僕はファイルから報告書を取り出した。
一年の始めに、部活の活動予定内容や予算について、報告書を書かなくてはならないのだ。

「芹澤先生、何かやりたいことはありますか?」

椅子に行儀よく座り、麻生はシャープペンを手にした。

「やりたいこと、なぁ。毎年何やってきたんだ、生物部って」

僕はその隣の席に座る。麻生は少し呆れたような視線をよこした。