「私は、家族にも環境にも恵まれたけど。 もしかしたら、苦しんでる人もいるかもしれない」 でも、と、矢央は坂本の腕の中で微笑んだ。 「この時代のように、いつ何処で命が狙われる…なんてことはないし戦争だってないから、平和なのかもしれないですね」 「そうか、そうか……」 坂本も、ホッと息をつき笑っていた。 目指す道は、間違ってはいないと――――― .