「これは、カラー剤ってので染めてるんです。 あっ、ほら!目は黒いでしょ!」


人差し指で右目を差し、それを坂本に確認させる。


「"きゃらぁ"ってのは、メリケン語だにゃ? メリケン人じゃのぅっーことは、何故メリケン語を話せて、その髪なんだ?」

「えっと…それには、いろいろ謎めかしい経路が多々ありまして。 説明するのは、長くなりますよ?」

「時間は、たーっぷりあるぜよ! 話を聞かせてくれんか?」


子供のように好奇心丸出しな坂本の姿に、矢央は警戒心を解き話し始めた。


未来から来たこと、壬生浪士組と出会い世話になっていること。


不思議な力が自分にはあることも、坂本に話した。


全て話し終えた頃には、夕陽が二人を包んでいた。


「う〜ん……」

頭をかきながら、唸り声を上げた。

「やっぱり、信じられないですよねぇ……」


当たり前だ。

自分だって、この状況を受け入れるまで時間がかかったし、浪士組の人達から信用してもらうまでも時間を費やしたんだから。

出会ったばかりの人が、直ぐに信じるわけはない。


と、そう思ったのに予想に反し坂本は矢央をギューッと抱きしめてきた。




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