高校へ入学して1週間。
「高校ってダルいんだねー」
「そうだねー」
1年5組の教室では2人の少女の声が響いていた。
当主人公佐藤睦とその友達、中村皐月である。
実は2人の家は近く入学してから毎朝クラスで1番に登校していた。
「早く来たってなんも良いことないし、つまんねー」
「まぁそんなもんでしょ」
頬杖をつきながら携帯をいじる皐月。
「まぁね~こんなもんだと思ってた」
睦はため息をつきぐだーっと机に寝そべった。
8時5分になった瞬間に教室のドアが開く。
「…………」
睦の前の席の黒島である。
スタスタと無表情で歩いてきて睦が寝そべっている机の前の席に座った。
そして座った瞬間黒島もぐだーっと机に寝そべりすぐに寝息を立てて寝てしまった。
「………これ」
「あー……なんだっけ黒島…なんとか」
珍しく2番目に来たこの生徒を見ながら2人が喋った。
「てか、この人いっつも寝てんだよね」
黒島の後ろの席である睦は入学式の時からいつも寝ているこの男を不思議に感じていたのだ。
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