言って、何とか身体を立て直して座った麗の隣に、兵庫は腰掛けた。

「貴重すぎてもったいなくて、離せないんですけど。

これってズルい、よな」

「ズルくない。

彼女からみて、どうだかは知らないけど」

「それが、問題じゃん。

って、オレなにやってんだろ。

これって、二股、かけようとしてるのか?」

「違うでしょ。

あたしとは付き合ってなんかない。

一方的に迫られてて、タカちゃんは、たまにそれに負けるだけ」

「負けちゃダメだと思うけど」