「あんまり話したことないし、性格はよく知らないかも。

でも、顔が好き。

全部いいけど、この唇の形が・・・」

気がつくと、凄く傍にいた。

どうも、兵庫からは、麗を無意識に吸い寄せるフェロモンかなんか出てるらしい。

「彼女、怒るかな」

つぶやくように言うと、

「怒るね」

即答して、兵庫は麗にキスした。

麗は、とりあえず物凄くそばに兵庫がいることに驚いて、兵庫を押しのけた。

「何を、彼女が怒るのかなんてあたし言ってないのに」

「違った?ごめん」

「いや・・・誤ってくれなくていいんだけど」

どうしよう。

物凄い拒否の仕方だったような。

「あたしこそ、ごめん」

「非情に傷ついております」

兵庫はちょっと笑った。

「そだね。ごめん。

でも、心の準備が」

兵庫はカタまった。