そんなある日、

従姉妹と恋愛の話をしていた。


あたしと従姉妹は
そういう話もできるほど、仲良しだった。




「佑美は好きな子とかいないの?」
「…いる。」
「え!?どんな子?」
「優しいお兄ちゃんみたいな…」
「クラスの子?」
「ううん。」
「違うクラス?」
「ううん。」
「え、じゃあ…他の学校?」
「わかんない。」
「え?」
「でも、中学生…。」
「年上なんだ…」
「うん…。」
「連絡先とかは?」
「何も知らないんだ…。」


「…その子、何歳なの?」
「あたしが4年生のとき6年生。」
「二個上か…」
「うん。」
「もしかしたらさ、中学で再会できるかもね。」


「…ぇ」



あまりにビックリしすぎて
思うように声が出なかった。

この瞬間の衝撃を今でもはっきり覚えてる




「だって、その子二個上でしょ?」
「うん?」
「佑美が中1になればその子中3じゃん」


「そっか…」
「まぁ、その子が同じ中学校だったらだけどね」




それからの毎日、

あたしは、あと何年、何日したら
彼に会える。近づける。

そう思って頑張っていた。



名前も連絡先も知らない

彼の姿を思い出して