…どうしてわかったの?


「あ…いやそんな思ってないよ?


てかあたし、もう教室に戻るね。じゃぁ…」



そう言って後ろを向いた。



その瞬間



グイッ


突然腕を掴まれた。



「!?」




『あの…先輩。


俺、先輩の言ってるとおり方向音痴なんですよ。

なので、南側の校舎まで案内してくれませんか?』




…は!?案内!?


なんで、あたし!?



『ダメ…ですか?』




萩浦君は涙ぐみながら、あたしにそう聞いてきた。




そ…そんな顔されたら…



「い…いいよ!」



断るにも断れないじゃん!


『本当ですか!?

ありがとうございます!』



萩浦君は無邪気な笑顔でそう言った。