「ガアァァァァァアッッ!!」
「リン!大丈夫かい!?リン!!」


クロスメイアスの威嚇の咆哮を背に、アキは青ざめた顔のリンを揺り起こした。
クロスメイアスが牙を向けているのは2メートルのトカゲとその上に乗った一抱え程の小さなバク。
バクの方は満足そうに腹を摩っているがトカゲの方はその眼に殺気を漲らせている。
このクソ野郎、とアキは内心毒づく。
毒づく傍ら、初めて接する『人間』の精神の脆さに半ば驚いていた。
ナキが横合いからその白い顔を挟む。

そしてアキよりも乱暴にリンの肩を揺すった。


「リン!!リン起きろ!!」
「……ぅあ…」