「さよう。かの娘は…」
「それより『羽付き』ってなんだ!?」
「「教えてくれ!」」

突然、クロスメイアスとリンの間に猿達が割って入る。

「あぁ、『羽付き』って言うのは体のどこかに羽を生やして生まれる人間の事だよ。『羽付き』を含める異形の身体を持った人間を『異人類種』って呼ばれる」

「その中でも『羽付き』は戦闘に長けた者が多いときいたが…」
クロスメイアスの言葉を受け、リンは苦笑する。

「その中でも僕は危険らしいよ。ここに来る前は城の外なんて全然知らなかった」
「閉じ込められてたって事かい?」
「まぁ、そうなるかな。他の異人類種を城は薬で大人しくさせていたからその薬が効かない僕を持て余してるみたいだった」

苦笑気味に言った言葉に、周りが目を丸くする。

「なんと、人は人を操る為に薬を使うのか」
「リンはその薬が効かないのかい?」

「あぁ…うん。まぁ」
「「カッコイイな!!」」

「……………へ?」



いきなり放られた予想外の言葉に、今度はリンが目を丸くする番だった。