「…信じられない…」

金の毛を持つ猿が呟いた。6匹の猿の前には、熊程の巨体を持つ豹が気を失ってそこに立つ青年の足元に倒れていた。

倒した青年の方は1番最初に頬を掠めた初撃以外はどこにも傷を負っていない。

「…名前」
「えっ?」

青年は振り返って笑う。

「名前、教えてよ。僕らもう仲間だろ?」
「…………」






「…プッキャキャキャキャキャキャキャ!!」

しばし固まった猿達は金毛持ちが笑ったのを口火にゲラゲラと腹をよじって笑い出した。
訳もわからず首を傾げるリンに金毛持ちが口を開いた。

「言うからまずこの羽根を抜いておくれよ。坊ちゃんのとこじゃ仲間を宙ぶらりんにすんのかい?」

やっと思い出したかのようにリンが羽根を抜いていく。
顔の白い猿がその羽根をしばらく眺めた後「いらんのならくれ!」と言い、各々自分に刺された羽根を興味深げに我が物にした。
金毛持ちが一歩前に出る。

「顔の白いのがナキ、顔の同じこいつらが端から順にイキ、トキ、セキ、タキ。そしてあたしがアキ」

そして手を出す。

「よろしく坊ちゃん、いや、リン」