両脇から浮かびあがるシルエットを両手で掴み正面でぶつける。

ドゴッ

「ンギャッッ!!」
「ゴゲッ!!」

手を放してそのまま着地する。

月明かりに照らされたのは小柄な6匹の猿だった。
爪が鋭く煉瓦色の長めの毛は頭のてっぺんから背筋、尻尾までが特に長い。
特に頭の毛は長く、鶏冠(トサカ)の様だった。

大きい耳と黒目がちな顔立ちは城にあったゴブリンの石像を思わせた。


気を失っている2匹も、他の4匹と同じようにあまり痛くない皮を羽根で射し動けないようにする。

こうでもしなきゃ、こいつらは話を聞いてくれないだろう。

「改めて自己紹介を。僕はリン・リカルド。君達は?」

そう尋ねると、6匹はしばし僕の顔と仲間の顔を交互に見ていた。
やがて、顔の毛が真っ白な猿が口を開いた。

「お前は変なやつだ!」

すると毛色から目鼻立ちまで全く同じ姿をした4匹が声を揃えて言う。

「「「「妙ちくりんだ!!」」」」
「はぁ?」

いきなりの言いように面食らっているとずっと黙っていた頭の毛だけが金髪の猿が落ち着いた様子で口を開いた。