すぐに耳障りな笑い声がボリュームを跳ね上げる。

「今回のセンレイは厳しいぞ!」
「「厳しい厳しい!」」
「王はこいつが余程嫌いだ!!」
「「嫌いだ嫌いだ!!」」


それを聞いて、僕の中の冷たいものが身動きした。



…―キラワレルコトニハモウナレタ―…


それでも『あの子』が、

ライアが僕を必要としてくれている。
「一緒にいたい」と言ってくれた。



「…今のはちょっとカチンと来た」

なんでその怒りに笑みがこぼれたのか、よくわからないけど。
あの耳障りな笑い声にそうやってカチンとすることに、その一連の流れに愉しさを感じる。


目を閉じて、感覚を研ぎ澄ます。
複数の気配を、ここに届く声などで確認するように探る。

ザザザザザザッ

自分に向かってくるぎりぎりまで…



「っ!」

足を掴まれる寸前で真上に飛び上がりざま腰の羽から両手に2本ずつ羽根を抜き投げる。

「ンギィッ」
「ギャッ」
「キァアッ!」
「ギイィッッ」

投げた羽根と同じ数の悲鳴があがる。


着地する前に両脇から気配が跳んでくる。