メイスフォールの背に乗り込んだリンは、以前自分が逃げる為に飛んだ空に舞い上がった。




青白い月光は森の木々から抜けた途端明るさを増し、雲海のように広がる森を照らしている。

















「ねぇ、メイスフォール」

この森来てから、リンは何もかもが初体験だった。

「夜がこんなに明るいなんて知らなかったんだ」








これから受けなければならない『洗礼』でさえも、待ち遠しく思えてしまう。


木々の海はどこまでも美しかった。