それでもなお近付くのを躊躇ってる彼らにアキが面白くなさそうに言葉を放る。

「取って食やしないよ」

横で「早くおいで」とばかりに手招きをするライアの様子も手伝ってようやく近くに来てくれた。

アキ達アナイトセタやクロスメイアスがいたエリアは森の中でも特に危険区域とされ、攻撃的な連中がうようよしているらしい。

だからどうしても危険が少なく知能の低いタール達ははなから信用出来ない。
アキもクロスメイアスもわかっているようだった。



「そうだ!ライア。
翼の毒も抜けたみたいだし、もう以前のように飛べるようになったんだ」

そう、ライアが行きたがっていた所に行くと言う約束。
ライアもその双眸を目一杯に輝かせた。



「明日にでも行こう」
「うんっ約束ねっ」


そんな僕らの様子を見ていたアキがいきなりねっとりと笑いを含んだ声を上げる。

「なんだいあんたたち、そう言う仲かい?」

「「??」」


そう言う仲ってどう言う仲だ?
ライアも同じ顔をしていたらしい。
アキは目を真ん丸くしたあと甲高い声で笑い出した。


「ホッホッホッホッ」

「もぉーメイまで!なんのことなのっ?」



聞いても笑っているだけなので僕はクロスメイアスに視線を投げる。


「クロ…」
「我の預かり知るものではない」

言いにくそうに即答されてしまい二の句がつげない。






爆笑され続け、僕らがわけもわからないままつられて笑い出したのは、それから間もなく。