「ごめん」







オレに背を向けたまま







ナオは呟いた






『もういいよ。色んな意味で無事なら』




「色んな意味って?」




『秘密』




「ケチ」




『ケンジと泣いてたらどうしようかと思った』










『ナオ方向音痴だしこの辺久しぶりにくるだろ。道に迷ったらどうしようかと思った』







まぁ








嘘だけど







ナオは







背を向けたまま








ずっと







携帯を眺めてた