『…』








何も







返せなかった








「んじゃ戻ろうか」








そう言って







ケンジはナオの手を取り







歩き出した







ナオは







そのままケンジに手をひかれ







オレの前から消えていく







オレは







そのままそこから






動けずにいた










「レイ」







ナオの声












『…ごめん』









「おい、レイ。置いてくぞ」








ケンジの声







『あぁ、悪い』