『怖い』と訴え、震えだしたミコトに俺はようやく正気を取り戻した。

放り出したままの彼女の、心細さに気付けなかった自分を悔いながら。

『ミコ、ごめん』

すでに気を失い、鼻や口から血を流している、あいつの首から手を離した。

座り込み泣きじゃくる、ミコトへと腕をのばしかけて。

一瞬

動きを止めた。


太腿までめくれたスカート。

素肌の覗く胸元。


どくんと胸が鳴った。


自分が抱いた、醜く汚らわしい欲望を俺は認めたくなかった。


今、自分が殴り倒した男と同じ、獣じみた性的感情を自分がミコトに抱いてる。

そう思うだけで吐き気がした。