少し乱れた前髪。

胸元だけシワの付いた白いシャツ。



「ミコ?」

はっと視線を戻す。

蓮くんはいつもの穏やかな顔に戻っていた。

わたしが知っている、浅倉蓮に。

「何してるの?」

怪訝な顔で蓮くんは立ち上がった。

「先に帰っててって言ったのに」

責められてる気がして、わたしは唇を噛んだ。

レンクンハ。

ナニヲ、シテイタノ?

生徒会なんて嘘。

吉仲真由と二人でいたくせに。