わたしは蓮くんの靴箱に向かい、扉を開けた。

乱雑に入れられた上履きが、蓮くんが学校にいない現実を突き付けていて。

涙が零れた。

きっと

この後、蓮くんに会ったとしても。

彼の口から真実は何も語られないだろう。

蓮くんにその義務はないもの。


わたしは


彼の幼なじみで


彼女じゃない。


「………もう、嫌だよ」

下駄箱の前に座り込み、泣きじゃくった。

身体さえ繋がれば近くにいれるなんて、

やっぱり馬鹿げた幻想だったのかな?

どんどん

蓮くんが見えなくなって

わからなくなる。