紅く

紅く

紅く

胸が染まっていく。

――あの人と同じ血で。

紅く。

痛みにうっとりと目を細める。

無意識にクスクスと唇から笑いが漏れ、私ははっとして口を押さえた。



私は

狂いかけている。



彼を失って、

精神のバランスを崩し出している自分に。

――ゾクリと鳥肌が立った。