ふらりと立ち上がり、

実習用の道具が収められた引き出しを開ける。

大きめのハサミを取り出し、胸にあてた。

一樹が残した跡を消すように肌に傷をつけていく。

朱い斑点を、紅い血で流していしまいたくて。

繰り返し繰り返し執拗にハサミを走らせた。