私は一樹を

愛していた

愛していた

愛していた。

憎しみと同じくらいの重さで。

どうしようもなく

彼に惹かれていた。


彼と歩く女の子が許せなかった。

ためらいもなく、触れ合える関係に嫉妬した。


この身体に流れる、

彼と同じ血を、

流し尽くしてしてしまえれば。

自分の身体を傷付けながら

何度

そう望んだだろう?

切っても

切っても

流れる血はいつも同じ色で

姉弟という事実は

絶対に変わることはないのに――