「なんか、もう新しい家にすんでて、そっから通ってるんだって」

――――知らなかった。

大知はてっきり知ってると思ってたらしく、

私を見て焦ったような、困ったような、驚きの顔を見せた。


その話を聞いたとき、私の中で何かが切れた。

プチッッ

急に目の奥がジンジンして、目の前がかすんできた。

こんなの――久しぶり―――

私は、とっさに叫んだ。

「止めて!!見ないで!!」


もう遅いとわかっていても、抑えられなかった。

自分が泣いていることに一番びっくりしたのは私だった。

今まで友達、もちろん梨沙と大知には見せたことがない。


それは―――――――、、、、

3歳のとき、私は、おばぁチャンを亡くした。――――――



私の親は共働きで、1日の大半はおばぁチャンと過ごしていた。

その所為か、私はおばぁチャン子になっていた。

近所には、2歳年上の男の子がいて、

その子に毎日のようにいじめられて、泣いて帰っていた。

それでもおばぁチャンは、泣いてる私にいつも、


「南瑠は1人で生きていかないといけないんだよ。
いつまでも泣いてちゃ駄目!!強くなりなさい南瑠。」


いつも同じ台詞だった。

意味のわからなかった私は、

その優しく、厳しい両手に毎日泣き続けた。

――――――親と過ごす初めての冬休み。

おばぁチャンは、家にきて、ご飯を食べて帰って行った。

家からおばぁチャンのうちは、近く、歩いて5分ぐらいのところだった。


そんな日の夜。、、、、

久しぶりにお母さんとたくさんしゃべって、眠りについた。

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夢を見た。とても久しぶりに幼稚園に行くと、
いつもの男の子がやってきて。

―――――喧嘩した。

でも私はなぜだか、いつもみたいには泣かずに、
先生に助けてもらって。

泣かない私にびっくりした男の子は泣きだして。

なんだかすっきりした夢だった。―――――

最後に後ろから声がして、、、