「彼氏サンのお出ましだ」


真保がふざけて言う。



そうだ‥
全然実感わかないけど

隼斗はあたしの彼氏になったんだ‥。


あたしも隼斗の彼女‥



“隼斗の彼女“っていう響きに胸が高鳴る。

無意識にじーっと隼斗を見つめる。


遠くからでも分かる。



――カッコイ‥


あたしなんか釣り合わないどころか、完敗。

そんなコトを考えていると、
隼斗がフッとあたしの方を向く。

目が合う。

ドキッとする。


次の瞬間、隼斗は満面の笑みってくらい微笑んで

は、よ、と大袈裟に口パクであたしにゆってくる。


あたしも口パクで返す。



再び二人で笑い合った。




その瞬間、思った。


釣り合わないとか、どうでもイイ。

あたしは隼斗がスキ。


ただ、それだけ。