「走って来るほど、寂しかった?」



ヒロキだって、あたしの事お見通し。


乱れたあたしのマフラーを、ゆっくり優しく正してくれる。




「ヒロキ…」




早く早く。


早く心の隙間、その腕で埋めて?



汚い欲望が込み上げてくる。




「…早くしてほしい?」




何で?


今日はそんなに焦らすんだね。


ヒロキの意地悪。