あたしがヒロキの前に立つと、ヒロキは驚いた様にあたしを見上げる。


まるで“何でここって分かったの?”

って聞くみたいに。


そんなヒロキを見下ろして、あたしはクスッと笑う。




「ヒロキの事なら、何でもお見通し」


「そうかよ」




ヒロキは顔を引きつらせながら、本を閉じると立ち上がる。


あたしの首に腕を回して、ヒロキは意地悪に笑う。