がやがやとうるさい
大通り。
おっさんが女の子に絡んでいる
きもちわる…。
まぢ、女の子とか興味ない…
とか思っていた。
肩がひどく傷むので
薄暗い路地裏に入る。
もちろん、病院など行ったら
すぐに捕まってしまう。
壁にもたれかかり
腰を下ろす。
「痛ぁ…いつ死んでも
おかしくないよ…」
とつぶやいた。
「やめてくださいっ!!」
女の人の声がした。
「金よこせって言ってるだけやん
大人しくよこせって。」
…よくあるセリフ…。
その言葉事態に拒否する意味が
あるんだろーが!と思いつつ
重い腰を上げ、チンピラらしきひとの腕をつかむ。
「こんばんわ、俺、桐岡竜音です。」
と、初対面の人には必要不可欠の
『自己紹介』をきちんとした。
「き…桐岡ぁ??!!」
そう、俺の名前はこの世界に知れ渡っていて
人殺しと思われているらしい。
まだ殺したことはないのに…
だから、自分の目の前にいる
凶悪殺人犯を目にすればすぐに
逃げだしていく。
「大丈夫ですか?けがは??」
と尋ねると。こちらもおびえて
硬直しているようだった。
「大丈夫、僕は何もしませんよ。
先に手を出されれば別ですが」
と豆知識を述べた。
そして女の人の手を取って走り出した。