違うか。
俺は死に物狂い。
捕まったら死刑かもしれないし
無期懲役かもしれない、
というがけっぷちに立たされているが
警察官はもし逃げられても
処分を受けるだけで
なんら命に危険はない。
この差がこうも人間を
強くするのか…。すご
正門が見えてきた
あの扉は重く、あけるのにも
一苦労だというのに
追われる身だ、開けられるわけがない。
どうしよう…
鍵もどれかわからない
死ぬ…死にたくない…
正門に着いた。幸い正門の
見張り番はいなかった。
なんでだ??
正門の鍵を探している間にも
警察官の大群は5m地点まで
迫って来た…
警察官の一人一人の表情から
緊張感が少しずつ取れ
勝利の顔をするやつが増えた。
一方それに反比例して
分から、勝利の顔は消えていった。
窮鼠猫を噛む…。
噛んでみようか。
いや、きたないでしょ。
つか、接近戦になったら
勝ち目ないし。
何言ってんだ俺…。