あれからどれくらいの
月日が経過したのだろう。

少なくとも一カ月は
確実にこの狭くて薄汚い一室に
閉じ込められている。

多くて、半年。


肝心の鉄格子はというと
一本と一本の鉄格子の間は
10㎝ほどで、房の太さは直径3㎝
程度だ。

一本の鉄格子が
外れれば楽に外に出られた。

その一本が今日
外れたのだ。

これで自由の身
と喜ぶのはまだ早い。

看守が来たときに
逃げようとすればすぐに捕まる。

タイミングが大切だった。

「いつにするかぁ…?」
すると看守がいきなり入ってきて
俺の座っていた窓際にっずかずかと
入り込んでどけと言って足蹴にされた。

死んどけw

と、軽く心の中で存在を殺した。

そして看守(二人)は
俺が小細工した鉄格子に一歩に手をかけ
強度を確かめているようだった。

そして最後の一本に手をかけると
いとも簡単にががっと鈍い音を立てて
外れた。


ばれた…



「どういうことだ。」

看守二人に睨まれて
頭の中でいろんな言い訳が
渦を巻いた。




何というべきか…



よし!決ーめた。