「え?私?」
ヘウ"ンは自分を指差し目を丸くした。そして渡された花を受け取るべきか悩んでいる。そりゃそうだろう、こいつはただの半猫の神子なのだから。
「えっと…」
困っているヘウ"ンの肩にジュリアが手を置いた。
「受け取ってあげたら、王女様」
するとヘウ"ンはニッコリと笑い、少女と同じ目線まで腰を落とす。
「ありがとう。可愛い花だね」
受け取ってもらい、少女はとても嬉しそうにどこかへ走って行った。
「しかし、この街の住人は全員目が悪いんだな」
嫌味を言うバースに、ヘウ"ンは三度目の足踏みをしようと足を上げ、振り落とした。
「バレバレだっつーの」
足をどけたバース。だがその瞬間、ヘウ"ンはバースの腹に肘を思いっきり入れた。
「ぐふっ」
腹を押さえうずくまるバースを置いてヘウ"ンは城の中に入って行った。