神書を探しに来た場所は昨日のメインストリートだった。
街の人々は扉が転移した事にまだ気付いてないのか、昨日と変わりない。
「神書はこの街にあるの?」
髪で隠した猫耳を気にしながらヘウ"ンは隣を歩くバースに聞いた。
「分かんねーけど案外近くに転移したりするからな。それに、働かないとばばあがうるせーし」
ヘウ"ンは、はあとため息を吐き立ち止まった。それにつられてバースも立ち止まる。
「どうした?」
「あのさぁ言いたいと思ってたんだけど、そのばばあっていうの止めなさいよ。相手は上司よ。それに私の事もちゃんと名前で呼んでよ。ヘウ"ンって名前があるんだから」
「へー死んでも安心出来るような名前だな」
死んでも天国へ行けるって意味。それにカチンときたヘウ"ンはバースに言い返す。
「何よ!親が付けたんだから仕方ないでしょ!それに自分だって男みたいな名前じゃない!」
「うるせー!私だって親が付けたんだ!」
そんな二人の間を三人の子供達が駆け抜けて行った。