「ごめんなさい…」
「もういいって」
扉の事を謝ってると思ってるんだろう。ヘウ"ンは違うと首を振り、
「私昨日バースを叩いて大嫌いって言っちゃって…ごめんなさい」
大嫌いという言葉は感情に流されて言った。本当はバースの事少しも嫌いじゃない。勝手に理想を押し付けたヘウ"ンが悪い。
バースは気まずそうに頭を掻き、
「いや、あれはお前が正しかったんだよ。これからはちゃんと色々教えていくから。ちゃんとお前を神人にしてやるから」
その時、何となくバースの性格が分かった。短気でぶっきらぼうだけど、
「バースって、泣かれたりしたら戸惑うでしょ?」
「何でだよ!そんな事ねーよ!」
図星だったのか、バースの顔は一気に赤く染まった。それが面白くてヘウ"ンはちょっとつっついてみた。
「だって今凄く優しいもん」
「ちげーよ!お前を神人に出来なかったら、私がばばあに嫌味言われるんだよ!ほら、くだんない事言ってないで行くぞ。立て」
「行くって何処に?」
「神書を探しに行くんだよ」
バースの耳はまだ赤かった。